上下2冊シリーズの下巻。
大航海時代に興味がある場合は、上巻飛ばしていきなり下巻から読んでも大丈夫だと思います。
読んだ感想などなど。
大陸から金銀財宝が運ばれてきている時代になっても、まだ拉致があんのか!!
地中海沿岸の庶民が星の数ほど海賊にさらわれていても、南欧各国の偉い方々は
ついに助けようとはしなかった。
イスパニアと陸軍は強いが海軍が弱いンだそうで。海事に関してはジェノヴァとヴェネツィアに頼りっぱなし。
イスパニアは図体がデカイだけの役立たずな印象で、イスパスキーな私には非常に残念な扱いに。
まぁ事実だったのでしょうが。
陸軍強く海軍弱しというのはオスマンも似たような状況で、海の常備軍はもたず、海賊に任せていた。
クルトゴル、ユダヤ人シナム、ハイレディン、ドラグー、ウルグ・アリといった大物海賊の活躍のところは、
読んでいて面白かったです。その中でも特にハイレディンの描写は詳しいです。
キリ教連合側で有名なのは、アンドレア・ドーリアです。
彼自身はジェノヴァ人でヴェネツィアに対して思うこともあったでしょう。
そしてカルロス1世に雇われの身で、自由に動けなかったみたいですね。
イスパニアのカルロス1世とフランスのフランソワ1世の勢力争いで双方色々やらかしたと。
フランソワ1世はマルセイユにオスマン海軍総司令官ハイレディンを招待したそうですが、
ハイレディンは1年間も滞在し、周辺部を荒らしまわり、困ったフランソワ1世は大金払ってやっとお帰り頂いたと。
最近は「オスマン帝国」という表記が一般的なんだそうですが、この本では「トルコ」と表記してます。
その部分だけ気になりました。
DOLやってて思ったこと。
帆船一隻で北アフリカ沿岸を航行するなんて自殺行為に等しい。
クリッパーがあること事態おかしな事なんですが。
「
海賊は海戦なんかしない」。
そうですよね、軍人きたら逃げますよねw
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「パクス・ロマーナ」が崩れるとはどういうことか。
秩序なき地中海を支配したのは「イスラムの海賊」だった。
衝撃的な、『ローマ人の物語』のその後。
帯にこのような謳い文句が!
これは読まねばなりますまい。
イベリア半島にてキリスト教徒とイスラム教徒が対立云々はなんとなく知っていたのですが、
地中海を挟んで北岸キリスト世界と南岸イスラム世界で壮絶な対立が続いていたなんて。
というてもイスラム側が一方的に海賊行為をして、ヨーロッパ沿岸部の住民はなすすべがない・・・。
特にシチリア島の描写が壮絶です。
数百年に渡って、ン万~ン十万の名も無き人々が拉致されまくっておったとは。
著者の大作・『ローマ人の物語』を私は未読でして、そしてローマ帝国について全然詳しくないのですが、
ローマは偉大だったんだなぁ~~、と感心しました。
下巻ももちろん読みました。続く。
5月下旬に本スレで紹介されていた本を、読んでみました。
超難解でした。
一般向けの読物ではなく、論文でございます。
航海の歴史的意義においてマゼランをコロンブスの風下におく通説をのりこえる、
という事を目的とした内容のようですが、私には荷が重すぎました。
地理だ経度だ天文学だ数学だといわれても、あんまり理解できず・・・。ガクッ
とりあえずマゼランもコロンブスも偉業を成し遂げたってことは分かりました。
面白かったです。
大航海時代、特に東南アジアに興味があればおすすめです。
トルデシリャス条約の東半球の線はどこなのか、
モルッカ諸島はポルトガルかイスパニアかいずれの所属なのか、とか。
ポルとイスパ両国が分界や占有について議論するため1524年バダホス=エルヴァス会議というのを開催したそうなのですが、イスパ側代表のひとりにエルナンド・コロンが参加しています。
彼はコロンブスの息子で、第四回航海に同行しました。
先日見たヒストリーチャンネルの最後で、
「エルナンドは尊敬される人物になった。その時代では最高の天文学者になった。~云々」と説明があったのを思い出して、生き延びて立派に成長したんだなぁと関心しました。
以下はDOLと関連して感想をもったところ。
十六世紀前半で分界を脅かすおそれのある第三国としてスペイン・ポルトガルが最も警戒すべきは、イギリスではなくフランスであった。
(p.267より引用)
フランスがんばれ。
フアン・セバスチアン・デル・カノ。
世界周航イベントでエレナ(とプレイヤー)の嫌がらせをするオジサン。DOLでの名前はエルカノですな。
バダホス=エルヴァス会議に参加しています。
彼はその後どうなったのだろうかとググったところ、・・・そうか帰らぬ人となったのか。合掌。
主な内容は、三ツ矢サイダーの歴史、サイダー大好き著名人の紹介、宿敵コカコーラとの対決、とかです。
「サイダーを生んだ大航海時代」という章で、大航海時代との関連が描かれてます。
日本では自然の炭酸水はあまり存在しませんが、欧州では古代から一般的に飲まれていました。
炭酸水は、長期間腐敗しないことが特徴で、長い航海のお供になったでしょう。
・・・などなど。
私は無味の炭酸水を普段ほとんど飲みませんからのー。馴染みが薄いですね。
これは勉強になりました。
ログイン出来ない状況を読書にて気を紛らわせつつ、知識を蓄える。
いかに栄え、なぜ滅んだか。
このシリーズの煽り文句、素敵だ。読書心をくすぐります。
21タイトル中、オスマン帝国について扱っている巻を読みました。
遥か昔に私が世界史を習った時は「オスマントルコ」だった記憶があるのですが、
現在はオスマントルコという表記は使わずに、「オスマン帝国」が一般的なのですね。
オスマン帝国にはアナトリア・バルカン・アラブなどの人々が混在しており、
トルコ系が支配者層を独占していたわけではないとのこと。
私の乏しいオスマン観では、ヴェネツィアやイスパニアといった西欧諸国との対比で捉えがちなのですが、
それもほんの一面に過ぎないんだな、と。
サファヴィー朝、マルムーク朝、ハンガリー、などとの勢力争いの方が熾烈な印象を受けました。
8章で構成されているうち、スレイマン1世が第4章に当てられています。
まるごと1章なので、やはりというか当然というべきか重要な位置を占めているスルタンです。
在位は1520-1560。(DOLの年代と被るか、もしくは少し後になるかな?)
オスマン帝国の海運に関する描写を引用。
ピーリー・レイスが残した地図や海図が示すように、オスマン帝国に出仕した人材のなかには当時の世界一流の技術者も含まれていた。しかし彼らの経験は十分に生かされることなく終わった。オスマン帝国の海軍は陸上の作戦の後方援護を目的としたにすぎず、ましてや海上交易を国家が主導することまでは考えられていなかったからである。オスマン帝国は、あくまで「陸の帝国」だった。
(p.136二段落目より)
妙に耳に残った言葉。
マクブール:お気に入り
キョプリュリュ家